V系に疎い人から見たV系
ヴィジュアル系バンド。
皆さんは好きですか?僕は別に嫌いではないです。
好きなバンドもいます(ムックが大好きです)。
これを読んでいる人はいわゆる「ロキノン系」が好きな人が多いんじゃないかと思うんです。
読んでる人のほとんどが僕のTwitterから来ているはずで、そうなると趣味が近いのかと思うので。
ヴィジュアル系バンド(以下「V系」と書きます)ってそのロキノン系バンドとは対極にありますよね。
僕は「V系だからって嫌いな訳じゃないし、けど特別好きでもない、でもちょくちょく聴くバンドの中にV系のバンドは何組かいるな」くらいの微妙な立ち位置にいるのですが、
この記事では「V系が別に嫌いじゃないけど好きではない人から見たV系」という視点で書いています。
なので偏見が混ざらないとは言い切れません。
それでも大丈夫という方のみ続きを読んで下さいね。
V系のファンってちょっとでもその人達の思考と違う発言するとすぐ殺してきそうで怖い(早速の偏見)。
そもそも世間から見たV系というのはこんな感じだと思います。
・化粧している
・甲高い声で歌う
・曲が重苦しい
・盲目的な、または物凄く熱心なファンが多い
・青のこと蒼とか碧とか言う
・赤のこと紅とか朱とか言う
・空のこと穹とか昊とか言う
・メンバーのことゴリラとかパグとか言う
みたいな感じです。
「これがなければV系じゃない」と思いますよね。
日本のヒットチャートを見るとアイドルがとても多いんですけど、
これって「この人が好きだから曲も好き」っていうファンが多いと思うんですよ。
V系のファンってそれに酷似している(同じではない)構図なんですよね。
「メンバーのこの人が好きでこのバンドを追っかけてる」って人がすごく多いんですよ。
特にV系はサイン会や握手会といったイベントも多く開かれるし、
1つのシングルを3種類くらい出す(カップリング曲が多いもの、DVD付きのもの、ライブ音源が入っている、などの違いで)バンドが多い。
そうなると売り方自体もアイドルのそれに似ている。
日本人相手に音楽を聴いてもらう手段としては、かなり理に適っているなと思うんですけどね。
そもそもV系って日本で生まれた文化なんですよ。
名のある洋楽バンドの焼き増しとか揶揄する人もいるロキノン界隈よりも、
そういう意味では「日本独自の音楽スタイル」と言えるかもしれません。
しかし、そのサウンドは重苦しいものが多い。
7弦ギターと5弦ベース、そしてツーバスのドラムでズシズシ鳴らすバンドが沢山います。
ボーカルが甲高い声で歌うのはこれが理由でしょう。
楽器隊がそういう重低音を鳴らしているのに低音ボイスのボーカルがいたら聴こえません。
重低音がズシズシ鳴って甲高い声で歌うという構成は、
音楽ジャンルとしてはメタルに近いでしょう。
そもそも今のV系という文化はメタルから来ていると思われます。
近年の若いV系バンドの人達は、「このバンドに憧れて始めた」というリスペクトを、
先輩のV系バンドマンに向けているのでしょうが、
ではその先輩のバンドマンは誰に憧れていた?
更にその先輩は?と、源流を辿って行けばメタルやハードロックが好きでバンドを始めた人達に辿りつくのではないでしょうか。
しかしメタルやハードロックはあまり日本では受け入れられてこなかった。
バンドブームが訪れていたときでさえ、「邦楽史に名を残したメタルバンド」はあまりいません。
だからこそそう言った音楽を売ろうとする流れでV系という文化が生まれ、
それが独自の世界観を作り上げて今に至る……という感じなんでしょう。
(そういえば海外のメタルやハードロックでメイクをしているバンドもいます)
そういった変遷の中で、「メタルの派生としてのV系」から「V系」というスタイルが独立した。
そして今は「V系のエレクトロ」とか「V系のパワーポップ」という形も成立している。
メタルと共にあったはずのジャンルがメタルから離れ、他の音楽と融合してしまう。
なのに「ヴィジュアル系」という言葉でまとめられるし、誰に言ってもそれで通じる。
とても面白い。興味深い。
さて、先ほど「V系は日本の文化」と言いましたが、
それを知って「V系やりたい!」と思う親日派の外国人もいるのです。
という訳で最後に僕の大好きな曲を貼ります。
ロシアのV系バンドです。
AKADO - Oxymoron №2 (Official Video) Remastered 2008