Re:寂しい深海魚

社会人バンドマンがなんか色々書く。

引っ越しとジャズマスター

引っ越しをします。

今の部屋もかなり気に入っていて、上京してから7年以上住んだので、

かなり思い出深い部屋なのですが、ついに引っ越しをします。

 

……今度は引っ越しの話を書くよと散々言ったのに、

いざ書こうとしたらあんまり書くことがなかったです。

(あんまり書いても個人情報が云々だしね!!)

とりあえず新しく家具を買ったり色々忙しくなるけど、楽しみです。

 

とまあ、色々とお金がいるのですが、

来月ついに僕のオリジナルなジャズマスターが完成するようです。

僕の実家のある北海道函館市にある、アヴァンチュールギターズという工房でオーダーしたジャズマスターです。

函館という小さな街の工房ですが、

人間椅子の和嶋慎治氏や、世界的に有名なマーティ・フリードマン氏のギターも作ったことがあるという工房なのです。

僕の好みを詰め込んだジャズマスターです。楽しみ!!!!楽しみ!!!!

 

楽しみなことが多いので楽しみです(語彙力がない)。

 

色々と終わったらまたPills the Candy Girlの活動も復活させていきます。

また宜しくね。

前に勤めていた会社のことを思い出した

ので愚痴を書きます。

 

僕は高専を卒業して、特に苦労することなく就職しました。

と言っても僕はバイトの面接さえ10回以上落ちているクソなので、

僕が受かった時点で「もう誰でもいいから人手くれ」的な会社だったんだと思います。

 

制御盤(要は工場を自動で動かすための装置)のハード設計とソフトを作る仕事だったんですが、

そんな仕事入社してすぐできるもんじゃないです。

なので、新入社員1人に、1人の教育担当が付くシステムでした。

僕の教育担当の先輩は僕が入社した時点で既に長期出張に出ていて、研修期間を終えるで顔も知りませんでした。

 

あと新入社員って普通は研修がありますよね。

僕が務めた会社も3カ月の研修が予定されていました。予定されていただけでした。

研修は1カ月で打ち切られたのです。

 

Kという部長代理がいました。

彼は社長と仲が良くて好き勝手できる立場でした。

そして彼は一言で言うといわゆる「老害」だったんです。

K部代は突然「セールスエンジニアリング部」という部を立ち上げました。

要は「新しい客先を見付ける営業活動と、その新しい客先から今までやったことのないような開発・製造を請け負ってどんどん新しいことやろうぜ」的なやつです。

 

彼はそこで某社から「うちのビニールハウスのトマトを自動で収穫する装置を作ってほしい」という仕事を貰ってきました。

確かにそんなものが実現したら収穫時間は短縮できるし人件費も削れて最高ですね。

その仕事を僕らがやることになりました。研修も終えてない就職から1カ月の新人、たった4人です。

 

しかし会社はロクに予算を出しません。

何故ならこれは利益が上がるとは限らない未知への挑戦だからです。

数十万は出してくれてましたが、ちょっと調べてみたらオランダだかどこだかの大学で何年も前から数億円の予算を使って同様の研究をしていました。

 

立派な大学で数億円の予算と10年単位の時間をかけて研究していることを、

新人4人と老害1人で数十万でやれと言うのです。

もうその時点でどう考えても無理です。バカです。

 

それでも努力はしました。

プログラミングと画像処理とロボットの勉強を沢山しました。

ピンポン玉をトマトに見立てて、カメラに映ったそれを画像処理によって見つけ出し、

上手いこと掴むロボットとプログラムを完成させました。

 

でも現実の果実なんてものは、形も色もランダムです。無理です。

仮にこれを収穫できるロボットができたとして、

既存のビニールハウスにそれを走らせるための数千万の予算は出ません。

 

結局社長が見切りを付けてこの仕事はなかったことになり、

僕らは会社の予算をクソみたいなロボット遊びに使って何の利益も上げらなかった集団という肩書の元、

何も出来ない社員のまま研修期間をとっくに過ぎた頃に技術部所属となりました。

 

その後も色々無理な仕事がたくさんありましたが、まあそれはもういいです。

とりあえずサビ残ばっかりでクソでした。

会社が近くに家を借りてくれて、家賃も6万まで出してくれるという待遇でしたが、

終電を気にせず会社に残らせることができたからでしょうねきっと。

 

それでも3年近く勤めました。すごいと思います。

 

ある日いきなりタイに出張に行けと言われました。

先輩でアメリカに出張に行けと言われた人がいました。

その人は僕が入社する前に出張に行ったきり何年も帰ってきてませんでした。

僕は顔も知りませんでした。

聞いた話では結婚して家も買って……というところでアメリカに行かされたとかで。

 

それを聞いていたので、もちろんこちらは身構えます。

すると会社の中でも相当偉い立場にいた専務が僕を寿司屋に連れて行ってくれました。

「ビザは3カ月で切れるから、3カ月で帰ってこれるから」と言いました。

さすがにそれなら大丈夫かと、僕はタイの首都、バンコクへ飛びました。

 

タイに着いて、現地の社員が歓迎会をしてくれました。

そして「引っ越し大変だね」とか「バイク乗るんだ?それどうするの?売るの?」とか言ってきました。もう意味がわかりませんでした。

どうやら3カ月後には一旦日本に帰ってタイに引っ越しする準備をする前提で話が進んでいたらしいです。

もうその日には「帰ったら辞めるわクソが」っていう内容のメールを上司にぶん投げていました。

 

そしてここでの仕事もクソでした。

 

客先「プログラムを作って下さい」

ぼく「どんなプログラムですか」

客先「プログラムです」

ぼく「いや、何をするプログラムを作ればいいんですか」

客先「それは自分で考えて下さい。とにかくプログラムです」

ぼく「これでは全く仕事にならない」

タイ支部の上司「こいつ使えないんですけど」

日本の上司「あいつを行かせた私の人選ミスです」

 

……こんな感じでした。

 

とりあえず日本に帰ってきて即辞めました。

前に僕が担当した案件の改造依頼があるから12月20日くらいまで在籍してほしいと言われましたが、

「知るかバーカ死ね!!!」って感じでした。

だいたい12月20日までって、「残りの仕事は片付けてもらう、ただしボーナスは支給しない」って魂胆が丸見えです。

まあ出ても多くて10万ちょいくらいでしたけども。

「それをやらないなら16日(確か)で辞めてもらう」ということになりましたが、

有給をまともに使えば僕は出勤せずに1月まで在籍していることになっていたはずです。

貰えたはずの諸々を貰えないことにされましたが、もう一刻も早く辞めたかったので辞めました。

 

もうとにかくクソだったなあってことしか思い出せません。

 

今でも当時の同期と年に2回ほど会って飲みに行きます。

ももうそこを辞めています。というか僕を含めて同期は全員辞めています。

 

と思ったらその会社、数年前に解散しました。

倒産じゃなくて解散です。バンドかよ。

ざまあみろクソが。

 

今は転職してまともに仕事しています。

仕事は大変だしまだまだ勉強中ですが、

サビ残がない(むしろ時間を越えて残業すると怒られる)ことに感動しました。

300万しかなかった年収がものすごい上がりました。

家賃手当だけは唯一前の会社の方が2万くらい高かったんですが、

結婚すると家賃手当が倍になるので、今の年収は実質2倍近くです。

 

今ブラックな環境に置かれている人、

世間は「ヤバいと思ったらすぐ逃げていい」とか言いますが、

そんなことすぐには出来ないだろアホかって思います。

僕は無責任にそんなこと言えません。

でも勇気を出す価値はあると思います。

「鬱ロック」に未来はあるのか

 
10~15年くらい前、邦楽ロック界には「鬱ロック」という括りがあった。
※「ジャンル」ではなく「括り」としておきたい。
いや、今もあるのかもしれないけど、それくらいの時期が一番栄えてたような気がする。
個人の意見です。
 
鬱ロックっていうのは要は、当時中学生から高校生くらいの多感な時期を過ごしていた男の子が
倖田來未EXILEのようなJポップを聴いているクラスメイトを横目に、
「俺はそんな商業主義には走らねえ、俺は『ホンモノ』の音楽を知ってる」みたいなことを思いながら、
お母さんに「目悪くするよ」と叱られるのを無視して部屋を暗くし、
体育座りでヘッドフォンで爆音で聴くような音楽のことだと思えばまあ間違いないだろう。
10年くらい前の僕のことなんですけど。
あ、一応断っておくけどそういうバンドのファンがみんなそういう人って訳じゃないです。
最近、こういうバンドがあまり力を持ってないと思いませんか。
僕は思うんですよ。
 
こういうバンドで当時有名だったのはSyrup16gTHE BACK HORNART-SCHOOL辺りです。
「三大鬱ロック」なんて言われてたこともありました。
 
THE BACK HORNはずっと生き残ってますが、今はもう鬱ロックって感じじゃないですね。
ART-SCHOOLも活動していますが、今は昔ほどのセールスを上げられてないのが正直なところだし……(僕は大好きなんですけども)。
Syrup16gについては後述します。
 
で、これに代わる次の世代!って感じのバンドがあまり出てこない。
いや、出てきたのかもしれない。
pegmap、plenty……色々思いつくけれど、みんな儚く散っていく。
 
そしてSyrup16g
最近とある騒動でマイナーなバンド呼ばわりされている彼らですが、
 
このバンド、なんというかファンが異質なんですよね。良くも悪くも。
 
10~15年前っていわゆる携帯サイトが流行ってて、
色々なバンドの非公式ファンサイトがあったんですよ。
で、それぞれ掲示板形式の交流の場を設けて「○○好きな人語ろう!」みたいな。
ああいうサイトには独特の空気感があった。
常連同士がやたら仲良くて。あとキリ番踏んだら報告しないと殺される。
 
で、Syrup16gはというと、むしろそんなもん作ろうものなら
お前はシロップを何も理解してない」と叱られるでしょう。
アレはみんなで聴くもんじゃないんです。
鬱ロックと括られるのも納得。
 
まあ、そういう扱いのバンドはもちろん他にもありますが、
特筆すべきはその空気を作り出している五十嵐隆のカリスマ性なのかなと。
 
 
ボーカルとギター、作詞作曲を担当している五十嵐隆
恐らく「音楽で成功してなかったらクズだった」というタイプの人間だと思う。
もしあれをキャラで、フィクションでやっているならそれはそれですごい。
 
クズみたいな人間が作るものは、クズみたいな人間に刺さる。
ドラゴンタイプの技がドラゴンタイプのポケモンに効くみたいな話だ。いや違うな。
 
暗い部屋でヘッドフォンの話も挙げたけど、
要は現実世界に逃げ場や居場所がない人間がすがり付くのがこういう音楽なわけで。
 
だからこのバンド、ファンのスタンスがみんな「Syrup16gは救い」なんだよね。
ある種のカルトのような印象さえあって、
みんなSyrup16gに救いを求めてるの。
 
「ああ、Syrup16gね、割と好きだよ」くらいの軽いスタンスの人が全然いない。
いや、そりゃこの世に一人もいないってことはないだろうけど、
もしSyrup16gのファンが100人の村だったら0.4人くらいの割合になって実質いなかったことになるくらいの比率だと思う。日本でいうと鳥取県くらいのポジションです。鳥取県民の方ごめんなさい。
 
とにかく、五十嵐隆を崇め奉ってる人がたくさんいるんです。
 
ところが。
このバンド、一度は解散して再結成してるんだけど、
そこで「再結成以降のSyrup16gは聴く気がしない」って人も現れていたりする。
まぁそれは仕方ない、人の好みだから。
 
それよりも、それ以上に、「最近Syrup16gを好きになった」って人を見ないんですよ。
最近好きになった人、そりゃ「全く見ない」って程じゃないけど、
仮にいてもやっぱり鳥取県くらいの感じなんですよ。
沢山の人達が五十嵐隆を追いかけて、そして途中で脱落していくみたいな状況になってる。ハンター試験かよ。
 
昔からついてきた熱狂的なファン、信者と揶揄されることもあるそんな人達しかもう残ってないんじゃないか?
 
そしてこれに関してはART-SCHOOLもそうだったりするんですよね。
「鬱ロック」という括りに属するバンド全体的にこういった問題を抱えてる気がするんです、最近。
 
このままでは近い将来、「老いたボーカリストを熟練ファンのおばさま達がずらりと囲む」というカオスな光景が全国のライブハウスに広がってしまうわけですよ。錦野旦のディナーショーかよ。
 
 
そもそもSyrup16gは何故再結成したのか?
 
よく言われるのが「五十嵐の貯金が尽きたから」ですね。もうファンの間では鉄板ネタです。
しかもまたちょっと本当っぽいのがアレですね。
一部では「五十嵐隆は邦楽界の冨樫義博」とか言われてますからね。
 
ただ、再結成したところでかつての勢いが戻らないのはもう本人達も想定の範囲内だったと思うんですよ。
バンドの良し悪しということではなくて、セールス的な意味で。
新規のファンより離れてくファンが多いんじゃないか?と。
 
だけどやはりさっき挙げたように、今の熱心なファン(信者と揶揄されることもある)が強い。
五十嵐隆の貯金がなくなったら私が養ってあげるみたいな人がたくさんいる。俺も養ってほしい。
 
再結成前、五十嵐隆のことを「私が世界で一番愛してるニートと言う人もいた。たくさんいた。
Syrup16gのファン以外は一生言わないであろう台詞だ。
今となっては某六つ子のファンもたまに同じようなこと言う。
 
それは結構なのだが、このままだとこの括りの音楽は破綻してしまう気がする。
鬱ロックに未来はあるのか?
まあ、あったらあったで全然鬱っぽくないけど。

このブログについて

とりあえずこのブログについて触れておきます。

ブログを作って2回目の更新なんですけどね。1回目でやれよ。

 

前回はうんこの話で貴重な1ページ目を使ってしまったわけなんですが

とりあえず何故今更またブログを作ったのかという話です。

 

まあ簡単なことでして、1人で思ってることをつらつら書ける場所が欲しかったというか。

Twitterだと何か息苦しいところがあるじゃないですか。

まあTwitterで「記事書いたよ」って言っちゃってますけど、

TLからわざわざ「おっ、じゃあ読むか」なんて思ってこのブログを観てる貴方は、

僕のことがそこそこ好きな人でしょ。ありがとう。

だから今更嫌いになったりしないでしょうということで僕の駄文にお付き合いください。

ただ失敗したなーて思ってることがあって、

このブログを開設するに当たってGoogleのアカウントを使ったんですが、

これGoogleのIDがそのままユーザIDになっちゃうんですね。

何年も前から使ってるアカウントだから「kaichuteien-hinaingv」のままなんですけど、

もう脱退したっつーの。あとフライングVもう使ってない。

 

はいっ、というわけでね(テレビとかで話題が変わるときによく言うやつ。正木に奪われたネタ)。

最近FGOをやり始めたんですよ。

まあずっと興味はあったんですけど、

ぶっちゃけ奈須きのこが嫌いだったので避けていました。

いや、嫌いって言い方はダメですかね。

「これマズい」じゃなくて「これ口に合わない」って言いなさい、と幼いころにお母さんに怒られました。

あの人の作品自体は面白いと思うんだけど文章がどうも僕の感性に合わなくて。

なんか揚げ物に醤油と中濃ソースかけたみたいな濃さじゃないですか。

だからちょっと苦手だったんですけど、

FGOってキャラの会話だけで進むんですか!奈須きのこの文章ないんですか!やったー!みたいな気持ちで始めました。めっちゃ失礼だな。

 

あと僕、西尾維新の文章も口に合わないんですよね。いや口では読まないんですけど。

あっちはあっちで何かハヤシライスにカレールー入れたみたいな文章に感じてしまうんですよね。

というか、ライトノベルとかノベルゲームのテキストって何かとにかく回りくどいものが多いんですよね。

朝起きるだけで何行使うんだと。

虎舞竜でもそれくらいは1章で済ますぞっていう気持ちになってしまうので苦手なんです。

 

なんか気付いたらネガティブなことしか書いてないな今回。

まあ、そういうことも書ける場所が欲しくて始めたんですよっていういい例です。

綺麗にまとまったね。

 

あ、そういや引っ越しが決まりました。

20歳の頃に上京してきてずっと住んでた部屋とも来月でお別れです。

8年くらい住んでたんだな。ちょっと寂しいですね。

色んな思い出がありますからね。

友達と酒飲んだり、友達と酒飲んで吐いたり、友達と酒飲んで気付いたら何故か風呂に入ってたり。

飲んでばっかじゃねえか。思い出の大半覚えてねえわ。

 

この話はまた次回ということで。bye.

森山直太朗のうんこ

初めに断っておくと、この記事には「うんこ」という言葉が大量に出てくる。
うんこが大量に出るなんて健康の証なのでいいことだと思うが、お食事中の皆様は今すぐスマホを置いた方がいい。
というか飯食いながらブログを読むと小さい子が真似するのでやめた方がいい。
 
さて、新しく作ったブログの最初のタイトルが「森山直太朗のうんこ」というとんでもない始まり方をしてしまったわけだが、僕は別にそういう趣味があるわけではない。
 
皆さんは「森山直太朗の名曲」と言われたら何を思い浮かべるだろうか。
 
ほとんどの人は「さくら」を挙げると思う。
僕は中学生くらいまでは意外とJ-Popが好きだったので、友達にカセットテープに録音してもらってよく聴いていた。カセットテープって辺りで年齢がバレそうだがお金がなくてMDを聴く環境がなかっただけなので誤解しないで頂きたい。
当時はピアノを習っていたので、書店で楽譜を探したりもした。「さくら(独唱)」のバンドスコアとかいう意味のわからないものもあった。全部休符のTAB譜が3つくらい載ってた。コストアップの神様かよ。
 
話を逸らしてしまったので戻す。
ここまで書いておきながら、この記事で語りたい曲は「さくら」ではない。
その曲のタイトルは、「うんこ」だ。
 
Googleに名前を入力して、候補に「うんこ」が出てくるミュージシャンなんて世界中どこを探しても森山直太朗くらいだろう。
いや、子供に「雲子」という名前を付けようとした矢野顕子もか。
 
それはそうと「さくら」と「うんこ」だなんて対極的すぎて、自分の持てる限りの語彙力をフル回転させても「うんうん、どっちもひらがな3文字だもんね」くらいのことしか言えないのだが、「うんこ」は紛れもなく、名曲だ。
「あの森山直太朗が『うんこ』だなんて」と思う人もいると思うが、僕はむしろ森山直太朗だから歌える歌だと思う。
森山直太朗は、綺麗なメロディと声の中に一滴だけ異質を垂らした波紋のような歌を歌う。
蝶々が舞う花畑に1匹だけ蛾が混ざっているような歌を歌う人だ。
だから桜が舞い上がる景色の中に1曲だけうんこが混ざっていてもいいじゃないかと思う。
 
むしろ「うんこ」を歌うのがaikoじゃなくてよかった。
「ああ~~~~うんこ~~~~~~」みたいな歌がリリースされてTwitteraikoとunkoが仲良くトレンド入りしてしまう光景なんか見たくない。その日のつぶやきビッグデータどうすんだ。
 
さて、では「うんこ」はどういう曲なのか。
まずは聴いてみよう。
さっきまで体の中にいたのに出てきた途端いきなり嫌われるなんて」という歌詞から始まるうんこ。
うんこなのに、何だか気の毒になってくる。うんこのことを気の毒に思ったのはこの曲を初めて聴いたときくらいだ。
 
そして、歌詞は「やっぱりお前はうんこだな」と続く。
いや、まあ、うんこだからね。そりゃうんこだよね。ムカつく奴に「クソだな」と悪口を言うのとは違って、今うんこに「うんこだな」って言ってるからね、そりゃうんこだよね。ペットの犬に「犬」って言ってるようなもんだからね。うんこだと思ってたのにトウモロコシとかだったら驚くわ。たまにあるけども。
 
そしてこの曲は鮮やかなストリングスに飾られ、終わる。歌詞はたったこれだけ。とにかくうんこに始まりうんこに終わる歌だ。
 
だがここで僕の最初の質問を思い出してほしい。
森山直太朗の名曲と言えば何を思い浮かべるだろうか」
 
次に僕は「さくら」を挙げたが、殆どの人が「懐かしい」と思ったことだろう。
森山直太朗って最近あまり見なくなったな」とか、もっと悪い言い方になってしまうと「古いな」とかね。そう、それだよそれ。
 
別に森山直太朗の「さくら」だけじゃない。ヒット曲が生まれては消えていく、消費型のエンターテイメント。
あんなに聴いていた歌も、好きだった歌手も、音楽だけじゃなく俳優やモデル、お笑い芸人も、気が付いたら「古いな~」とか言われる存在になっている。「まだそれ好きなの?」とバカにされることもある。
この歌に出てくるうんこと同じだ。この歌に出てこないうんこもたぶん同じだと思うけども。
 
あの歌手も俳優も芸人もうんこなんだ。僕もあの娘もアイツも君も、やっぱりお前はうんこだな。
美味しそうな飯だった頃はあんなにチヤホヤしていたのに、流行が過ぎ去った途端に忌み嫌われる。やっぱりお前はうんこだな。